労働基準法9条他 使用者と労働者(総則)
こんにちは。きゅーきちゃんです。
今日も労働基準法について記事にしたいと思います。
今回は労働基準法の総則を確認していきたいと思います。
余談ですが、条文上は労働者→使用者という順番で書かれています。
序論
労働基準法では、使用者と労働者を明確に定義しています。
が、キーワードは「実態」です。
余談ですが、適用関係は全ての法律で試験対策上超重要分野になります。
寝てても言えるくらい覚えてしまいましょう!
といっても、ボリュームもそれほどでもなく、1時間くらいあれば十分です。
手帳に書いてしまうなど、常に目につくようにしておけばOKです。
使用者(10条)と労働者(9条)とは
まずは、条文で確認しましょう。
「この法律で使用者とは、事業主又は事業の経営担当者その他その事業の労働者に関する事項について、事業主のために行為をするすべての者をいう。」
「この法律で「労働者」とは、職業の種類を問わず、事業又は事務所(以下「事業」という。)に使用される者で、賃金を支払われる者をいう。」
【重要】
使用者は、三人の登場人物があります。
事業主、事業の経営者、事業主のために行為をするすべての者
形式や役職ではなく、実質的な権限と役割等が与えられているかどうかが判断ポイントになります。単に上司の伝達役にすぎない場合は、使用者とはなりません。
労働者は、
- 事業に使用される者であるか
- 賃金を支払われる者か
というポイントをいずれも満たしているかどうか、使用従属関係の実態に応じて判断します。
【解説】
使用者
たとえば、法人の重役という肩書があっても、代表権をもたない者が、工場長、部長の職にあって賃金を受ける場合は、労働者になります。反対に、法人の代表者など、使用従属関係が成立しない者は労働者ではありません。
試験対策上は、「実態判断」というポイントを押さえておけば問題ありません。
なお、頻出ではありませんが、社労士の事務に関して頭の片隅に入れてください。(正直、忘れてもOKだと思います。)
社労士の業務上、事務代理と提出代理というものがあります。
めちゃくちゃ簡単に言うと、
「申請に関することは全責任が私にあります!」→事務代理
「提出しただけです。申請の責任は事業者さんです。」→提出代理となります。
これを踏まえて、
社労士が事務代理の委任を受けたとき、申請を懈怠により行わなかったときは、使用者に該当するもので、規定違反となることがあります。
という通達があるので、知っておいても良いかと思います。
労働者
この関係については、いかなる形式・形態でであっても、実態として使用従属関係が認められるかどうかにより判断します。
インターンシップについては、微妙です。
キーワードは、「生産活動に従事」し、「使用従属関係が認められる」場合は、労働者に該当します。
(例)
インターンシップで議論し、発表するだけの場合→該当しない
(1日だけのものはこれに該当するものが多いのではないでしょうか?)
インターンシップで実際の業務に従事する→該当する
(研修医が代表的な例です。判例あり(労災法にも影響します。))
派遣事業者の場合
派遣事業者の場合はどうなるでしょうか?複数の契約関係がありましたよね。
6条で解説しているので、忘れてしまった方はそちらもご確認ください。
ここで考えないといけないのが、いわゆる在籍型出向か移籍型出向かという問題です。
巷でイメージするのが、ホームページなんかで登録して「時給1,000円」とかで募集があって、一定期間が終われば契約終了して・・・というやつだと思います。
これが在籍型出向といいます。
一方、出向なんかで転籍して派遣されるものは移籍型出向といいます。
この場合は、元の事業者との契約関係は消滅するため、全て派遣先において使用者責任を負うことになります。
数年前のドラマで半沢直樹で有名になったかと思っていますが、どうでしょう。
今回適用されるのは在籍型出向の話です。
原則として、労働基準法の責任を負うのは派遣元事業者です。
そうは言っても、派遣先で仕事をするので労働時間等は派遣先で守ってもらわなければなりません。
具体的には、労働時間、休憩、休日は派遣先に対して労働基準法を適用することになります。
試験対策上は、これくらいでOKです!
まとめ
使用者は、事業主・事業の経営者・事業者のために行為をする全ての者
労働者は、使用されるもので、賃金を支払われる者
インターンシップは要注意。(今後、IT分野で話題になる可能性が高いと思っています。)
派遣事業(※在籍出向に限る)のときは、原則派遣元。
労働時間、休憩、休日は派遣先です。