きゅーきちゃんの社労士勉強ブログ

社会保険労務士の勉強に役立つ内容を出していきます!

労働基準法32の2条 労働時間(フレックスタイム制の変形労働時間制)

こんにちは。きゅーきちゃんです。

今日も労働基準法について記事にしたいと思います。

 

今回はフレックスタイム制に関する条文を確認していきたいと思います。

フレックスタイム制を導入している事業所の種類としては、情報通信業で最も採用割合が多くいものの、全体として見れば、5%前後しか採用されていません。

 

条文も長く、改正もあり重要論点ですので、超大作になっています。

よろしければ、最後までお付き合いください。

 

序論 

 

フレックスタイム制とは、労働者が自ら始業と終業時間を決めることができる制度のことです。

本来の狙いとしては、労働時間を短縮するために弾力的な労働時間の設定をできるようにするものです。(しかし、現実は・・・)

 

労働時間(32条の3)

まずは、条文で確認しましょう。

「使用者は、就業規則その他これに準ずるものにより、その労働者に係る始業及び終業の時刻をその労働者の決定に委ねることとした労働者については、当該事業場の労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては労働者の過半数を代表する者との書面による協定により、次に掲げる事項を定めたときは、その協定で第二号の清算期間として定められた期間を平均し一週間当たりの労働時間が第三十二条第一項の労働時間を超えない範囲内において、同条の規定にかかわらず、一週間において同項の労働時間又は一日において同条第二項の労働時間を超えて、労働させることができる。

一 この項の規定による労働時間により労働させることができることとされる労働者の範囲

二 清算期間(その期間を平均し一週間当たりの労働時間が第三十二条第一項の労働時間を超えない範囲内において労働させる期間をいい、三箇月以内の期間に限るものとする。以下この条及び次条において同じ。)

三 清算期間における総労働時間

四 その他厚生労働省令で定める事項

○2 清算期間が一箇月を超えるものである場合における前項の規定の適用については、同項各号列記以外の部分中「労働時間を超えない」とあるのは「労働時間を超えずかつ、当該清算期間をその開始の日以後一箇月ごとに区分した各期間(最後に一箇月未満の期間を生じたときは、当該期間。以下この項において同じ。)ごとに当該各期間を平均し一週間当たりの労働時間が五十時間を超えない」と、「同項」とあるのは「同条第一項」とする。

○3 一週間の所定労働日数が五日の労働者について第一項の規定により労働させる場合における同項の規定の適用については、同項各号列記以外の部分(前項の規定により読み替えて適用する場合を含む。)中「第三十二条第一項の労働時間」とあるのは「第三十二条第一項の労働時間(当該事業場の労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては労働者の過半数を代表する者との書面による協定により、労働時間の限度について、当該清算期間における所定労働日数を同条第二項の労働時間に乗じて得た時間とする旨を定めたときは、当該清算期間における日数を七で除して得た数をもつてその時間を除して得た時間)」と、「同項」とあるのは「同条第一項」とする。

○4 前条第二項の規定は、第一項各号に掲げる事項を定めた協定について準用する。ただし、清算期間が一箇月以内のものであるときは、この限りでない。」

(※太字のところは選択式試験に出題されることを想定しています。)

 

 

【重要】

就業規則やこれに準ずるもので規定をする必要があります。

※労使協定は含まれていません

 

定めをしたら、労使協定を締結します。(原則は、届け出不要)

内容は、

  1. 適用労働者の範囲
  2. 清算期間の起算日(3か月以内に限る)
  3. 総労働時間
  4. 1日の標準労働時間
  5. コアタイム・フレキシブルタイムを設定したときはその時間(任意規定です。)

コアタイムとは、労働者が必ず出勤する必要のある時間です。

※フレキシブルタイムとは、労働者が可能となる労働時間のことです。

 

 

この制度は、「育児を行う者への配慮義務」は対象となっていません

(本来的には、労働者が自ら労働時間を決められるため、自ら調整できるからです。)

 

清算期間ごとの労働時間について、不足分を翌月以降等に繰り越す(上乗せ)ことは可能です。

超過分を翌月以降に充当することはNGです。

 

時間外勤務の計算は、清算期間ごとに計算し、超過分を与えることになります。

 

派遣労働者については、派遣元に定め義務や労使協定義務があります。

 

【解説】

まず、条文が長いですよね。笑

近年改正されたこともあって、条文が増えたり長くなっただけなんです!

 

まず、大枠としては労働者が自分で始業と終業の時刻を決めることができる!というのが本規定の原則です。

なお、コアタイムが長すぎたり、フレキシブルタイムが短すぎる場合はフレックスタイム制とは言えず、労基署の指導対象となります。(判例あり)

 

あとは、細かな決まりがちょこちょこあるだけです。

近年改正がありましたので、紹介します。(そして、重要です。)

 

ここからは1週間に5日働く労働者についての規定です。【2019年向け改正】

週休2日制を採用している企業の場合、フレックスタイム制を導入すると不都合なことが起こっていました。

簡単に言うと、5週間目に突入する月の場合、原則どおり計算すると違法行為になってしまうということです。

今までは、行政解釈によってOKとしていましたが、今般それを明記したということです。

 

たとえば、2019年8月の場合を考えましょう。

(業種は、IT業界にしましょう!商業とかにすると44時間が登場してややこしくなるので・・・)

暦日31日、祝日で1日がありますので、カレンダーどおりの労働日である場合、労働日が22日となります。

 

この場合、原則どおり総枠を計算すると(1日の労働時間を8時間とします)、

清算期間における法定労働時間の上限=1週間の法定労働時間数×清算期間の日数/7日

上限=40h×31/7=194.8571・・・≒194時間

1週あたりの上限時間=194/4=48.5h

となり、法定労働時間を超えてしまいます。

 

そこで、改正がありました。

どうなったかというと

清算期間における1週間の法定労働時間の上限=所定労働日数×8時間÷(清算期間の日数/7日)

を超えない範囲でOKとなりました。

 

これで計算すると、

上限=22日×8時間÷(清算期間の日数/7日)=39.7419・・・となり、収まるようになったのです!ワーイ

 

清算期間が1ヶ月を超える場合【2019年向け改正】

また話が変わります。

清算期間は3か月を超えない範囲で規定するとありましたが、実は、1ヶ月にも見えない規定があります。

 

それが、届け出義務の発生する境界線です!

1ヶ月を超える清算期間の場合、届け出義務が発生します。

 

また、清算期間を1ヶ月ごとに区分したときに、週平均で各月とも50時間を超えてはいけません。これだけです!簡単ですね!

 


まとめ

 

フレックスタイム制は原則から押さえましょう!

労働時間を自ら決める規定をする!

規定は、就業規則等のみ!

 

その後、労使協定を行う!

 

清算期間は1ヶ月と3か月以内に境界線あり!

 

あとは、改正の部分を押さえましょう!これで1点取れます!

労働基準法32の2条 労働時間(1ヶ月単位の変形労働時間制)

こんにちは。きゅーきちゃんです。

今日も労働基準法について記事にしたいと思います。

 

今回は1ヶ月単位の変形労働時間制に関する条文を確認していきたいと思います。

特に1ヶ月単位の変形労働時間制については、1年単位の変形労働時間制の次に多い変形労働時間制です。(1ヶ月単位の割合は約15%

 

序論 

本規定は、1ヶ月単位で繁閑の差が大きい業種で採用されています。

夜勤勤務の多い医療業界や介護業界で採用が多い制度です。

 

労働時間(32条の2)

まずは、条文で確認しましょう。

「使用者は、当該事業場に、労働者の過半数で組織する労働組合がある場合においてはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がない場合においては労働者の過半数を代表する者との書面による協定により、又は就業規則その他これに準ずるものにより、一箇月以内の一定の期間を平均し一週間当たりの労働時間が前条第一項の労働時間を超えない定めをしたときは、同条の規定にかかわらず、その定めにより、特定された週において同項の労働時間又は特定された日において同条第二項の労働時間を超えて、労働させることができる。

○2 使用者は、厚生労働省令で定めるところにより、前項の協定を行政官庁に届け出なければならない。」

(※太字のところは選択式試験に出題されることを想定しています。)

 

 

【重要】

 

1ヶ月単位の変形労働時間制は、労使協定就業規則、それに準じるもので定めることができる。

 

労使協定は有効期間を定める必要があります。

 

使用者が任意に労働時間を変更する制度は変形労働時間制とは言えません。

このような取り決めをしていたとしても、無効です。

 

届け出違反は30万以下の罰金があります。

 

 

本規定を定めたときは、時間外の考え方は以下のとおりです。

  • 1日の時間外は定めをしたときはその時間、そうでないとき(平常時)は、8時間です。(1週間の時間外も同様の考え方です。ただし、40時間を超えたとき・・・となります。)
  • 変形期間について、変形期間の総枠を超えたとき

 

1ヶ月単位の変形労働時間制を採用するときは、1週間の労働時間は40時間でも特例の44時間でもOKです。

 

派遣労働者の場合は、派遣元に定めを行う義務があります。

 

【解説】

 

時間制の定めをするとき、労使協定等については労働者に周知する必要があります。

これは、就業規則でもあるので覚えておいたほうが良いです。「周知義務を果たしていない就業規則は無効。」(判例あり)

ちなみに、「準じるもの」という規定は、就業規則には10未満の事業所には作成義務がないため定めがあります。(後でやるので、覚えておいてください。)

 

勤務ダイヤに(シフト表みたいなものです。)よる変形時間制を採用する場合は、変形期間の開始までに具体的に勤務割を特定することでOKです。

ただし、就業規則に勤務の組み合わせの考え方、作成手続きと周知方法等を予め定める必要があります。

※もし、細かい規定だと感じた方は、全ての日程を決める必要はなく、手続き等を定めてもOKと覚えておきましょう。

 

労使協定等の定めに規定しなければならない事項は以下のとおりです。

  1. 変形期間及びその起算日
  2. 変形期間における各日及び各週の労働時間

 

変形時間の総枠=1週間の法廷労働時間×変形期間の日数/7


まとめ

 

1ヶ月単位の変形労働時間制は、労使協定・就業規則等で定めを行う必要があります。

 

特定された期間のことを変形期間といいます。

 

事前に変形期間を定めますが、任意に使用者が変更することはできません。労働者の同意があっても不可能です。

労働基準法32条 労働時間

こんにちは。きゅーきちゃんです。

今日も労働基準法について記事にしたいと思います。

 

今回は労働時間に関する条文を確認していきたいと思います。

 

序論 

本規定は、賃金と並んで重要な規定となっています。

労働時間は週に40時間を超えて働かせてはいけない義務を使用者に課しています。きちんと押さえましょう。

 

労働時間(32条

まずは、条文で確認しましょう。

「使用者は、労働者に、休憩時間を除き一週間について四十時間を超えて、労働させてはならない。

○2 使用者は、一週間の各日については、労働者に、休憩時間を除き一日について八時間を超えて、労働させてはならない。」

(※太字のところは選択式試験に出題されることを想定しています。)

 

おまけ(38【最低基準】)

 

「労働時間は、事業場を異にする場合においても、労働時間に関する規定の適用については通算する。

○2 坑内労働については、労働者が坑口に入つた時刻から坑口を出た時刻までの時間を、休憩時間を含め労働時間とみなす。但し、この場合においては、第三十四条第二項及び第三項の休憩に関する規定は適用しない。」

 

【重要】

深夜残業等が継続し、暦日を超えるとき(日をまたぐとき)でも1勤務として取り扱います。

この場合は、始業に属する日の労働とします。

 

労働契約で法定動労時間(40時間のことです。)を超える労働時間を契約した場合は、その部分だけが無効となります。契約としては成立します。

 

労働時間とならないためには、労働からの解放指揮命令下からの離脱の2要件が必要です。(判例あり)

具体例

  • 労働安全衛生法に規定される特殊健康診断、安全衛生教育、安全・衛生委員会の会議
  • 休憩時間中に待機させる来客番
  • 運転手が2名で交代して運転する仮眠時間等

 

事業所が異なる場合でも、労働時間は通算します。

 

【解説】

1週間とは、原則として、日曜から土曜日までの1週間(暦週)をいいます。

例外として、就業規則により別途定めている場合は、これを変えることができます。

 

1日は、原則として、午前0時から午後12時までの暦日をいいます。

 

労働時間は、実労働時間のことをいいます。

このとき、休憩時間を除きます。

つまり、労働者が使用者に拘束されている時間から休憩時間を除いた時間のことをいいます。

※遅刻分を労働時間を繰り下げて働かせたとしても、32条の労働時間の違反にはなりません。


まとめ

労働時間は40時間以下を厳守です。

 

労働時間は拘束時間から休憩時間を除きます。

 

拘束時間のスタートが労働時間のスタートとなります。

作業時間前に準備等を指示されている場合は、その時間も労働時間に含まれます。(判例あり)

 

指揮命令下から離れるだけでは労働時間とならないというわけではありません。(判例あり)

労働基準法26条 休業手当

こんにちは。きゅーきちゃんです。

今日も労働基準法について記事にしたいと思います。

 

今回は休業手当に関する条文を確認していきたいと思います。

 

序論 

本規定は、使用者の責任があるときの休業について、労働者の生活を保護するため一定の手当の支払い義務を明確にしています。

 

ぶっちゃけ【重要】のポイントだけで択一式は解答できると思います。

記憶の定着のために解説を利用する程度でOKです。

 

選択式としては、判例が重要です。判例はどうしても独特の表現がありますので、判例は別途きちんとキーワードを覚えていきましょう。

 

また、平均賃金も絡むことから、このタイミングで平均賃金の復習も行いましょう! 

qkichan.hatenablog.com

 

休業手当(26条)

まずは、条文で確認しましょう。

使用者の責に帰すべき事由による休業の場合においては、使用者は、休業期間中当該労働者に、その平均賃金百分の六十以上の手当を支払わなければならない。

(※太字のところは選択式試験に出題されることを想定しています。)

 

おまけ(27【出来高払制の保障給】28【最低基準】)

それぞれは、特に重要というわけではありませんが、知っておいてください。

特に27条は近年の高プロ制度の創設という意味でも重要です。

高プロ制度によって初めて労働時間と賃金の関係を断ち切ったため、通常、出来高払いでも時間による所得保障が必要です。

 

28条は労働基準法は、最低条件を規定する法律ですが、最低賃金については、最低賃金で別途定めている旨を規定しています。

 

27条(条文)

出来高払いであっても、労働時間に応じて一定額の賃金の保障をしなければなりません。

 

【重要】

 

その日の平均賃金60%以上の使用者による休業手当を保障しています。

一部働いたとしても、その日の平均賃金の60%を保障しなければなりません。

労働時間が短いから保障する必要がないということはありません

 

使用者の責に帰するとは、民法(使用者過失責任)よりも広い範囲で解釈されます。(判例あり)

また、使用者側に起因する経営・管理上の障害も含まれます

これを知っていれば解答できるかと思いますが、使用者の責に帰すべき事由の具体例を書きます。

  • 資材・資金の調達難
  • 使用者による就業拒否ストライキ中に、ストライキに参加していない者に対して拒否した場合も含みます。)
  • 採用内定のように解約権を留保した労働契約が成立した場合に自宅待機を命じたとき
  • 解雇予告をせずに即時解雇を行ったことで、解雇が有効に成立するまでの期間

 

派遣労働者については、派遣元が使用者の責を問われます。

 

【解説】

 

60%の平均賃金の保障は労災保険とは異なりますので、確実に覚えましょう!

(ちなみに、労災保険では働いた分を一回無視して、働いてない分の60%補償となります。)

図解します。

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休業手当と休業補償(労災法)との違い

 

余談ですが、採用内定が「解約権の留保した労働契約が成立した」ものであるというのは、判例でも問われるので、文言として覚えましょう。

 

休業とは、事業の停止(全部か一部かは問いません)だけでなく、特定の労働者に対して、その意に反して就業を拒否するような場合も含みます。

ストライキの例はまさにこのパターンですね。


まとめ

 

 

とにかく、小難しいことは無視して、その日の平均賃金の60%保障です。

労働基準法は最低基準を示しているだけなので、シンプルです。

逆に、色々聞いてきたら不正解の問題です。

 

あとは、使用者の責に帰すべき事由を覚えましょう。

私は、「長州力、かいーの、かいーの」で覚えてました。笑

調達難

拒否(りき・・・きょひ。少し無理がありますが。笑)

約権の留保

雇の予告相当の期間

労働基準法24条 賃金の支払(毎月、一定期日)他

こんにちは。きゅーきちゃんです。

 

今日も労働基準法について記事にしたいと思います。

 

今回は賃金の支払に関する条文を確認していきたいと思います。

ここは労働基準法上、最も重要な箇所になりますので、特に重点的に学習をしたいところです。この24条は、5回シリーズにしています。

・・・と思っていましたが、4回にします。笑

ちなみに、今回は次の条文も一緒にやります。そんなに重要な条文でもないので、さらっと終わりますね。

 

細切れを利用して学習してください。

 

前回は、全額払いをやりました。

 qkichan.hatenablog.com

 

 

序論 

本規定は、使用者に一定の規定を設けて、確実に労働者に賃金を支払うことを目的としています。

原則は、5つありますが、それを全て押さえることが重要です。

原則の5つとは、通貨払い直接払い全額払い毎月払い一定期日のことです。

 

ちなみに、体感的には賃金の支払いの中で最も判例が問われるところになります。

一度は本屋さんなどに言って、判例対策のものを見てみてください。

お手元にテキストがある方は、その判例を覚えましょう!

(試験を迎える頃には、正直、事件名を聞いたら、概要を話せるようになります。)

 

賃金の支払(24条)

まずは、条文で確認しましょう。

「賃金は、通貨で、直接労働者に、その全額を支払わなければならない。ただし、法令若しくは労働協約に別段の定めがある場合又は厚生労働省令で定める賃金について確実な支払の方法で厚生労働省令で定めるものによる場合においては、通貨以外のもので支払い、また、法令に別段の定めがある場合又は当該事業場の労働者の過半数で組織する労働組合があるときはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がないときは労働者の過半数を代表する者との書面による協定がある場合においては、賃金の一部を控除して支払うことができる。

○2 賃金は、毎月一回以上一定の期日を定めて支払わなければならない。ただし、臨時に支払われる賃金、賞与その他これに準ずるもので厚生労働省令で定める賃金(第八十九条において「臨時の賃金等」という。)については、この限りでない。」

 

おまけ(25条【非常時払い】)

「使用者は、労働者が出産疾病災害その他厚生労働省令で定める非常の場合の費用に充てるために請求する場合においては、支払期日前であつても、既往の労働に対する賃金を支払わなければならない。」

 

既往の労働という言葉は知っておいてください。

言葉に惑わされず、厚生労働省で決めた事情のときに、労働者が請求するときに、すでに働いた分の賃金をもらえるというものです。

 

条文にあるものの他、やむを得ない事由による1週間以上の帰郷も非常の場合に含まれます。

 

(※太字のところは選択式試験に出題されることを想定しています。)

 

【重要】

ここは、簡単です。しかも、24条の中ではほかのところのほうが出やすいので、具体例を押さえてしまいます。

 

年俸制の場合でも、毎月1回以上一定の期日を決めて支払う義務があります。

↑私は、初めて勉強したとき驚きました。

 

一定期日は周期的に到来されるものです。

具体例は、解説にありますので必ず確認してください。

 

【解説】

「一定の期日」=「期日の特定」+「周期的に到来」が公式です。

したがって、「毎月25日」というように暦日を特定する必要はありません。

 

具体的には以下の通りです。

OK NG
月給のときに「月の末日」 毎月15日から20日の間
週休のときに「土曜日」 毎月第四金曜日

ここは、出てしまえば一撃なのでこの表は覚えてしまいましょう。


まとめ

 

公式を覚えてしまいましょう。

「一定期日」=「期日の特定」+「周期的に到来」

 

あとは、表の具体例を覚えてしまいます。

毎月第四土曜日を覚えてしまえば、あとは感覚的に合うと思いますが、どうでしょうか。私はそう覚えました。

労働基準法24条 賃金の支払(全額払い)

こんにちは。きゅーきちゃんです。

 

今日も労働基準法について記事にしたいと思います。

 

今回は賃金の支払に関する条文を確認していきたいと思います。

ここは労働基準法上、最も重要な箇所になりますので、特に重点的に学習をしたいところです。この24条は、5回シリーズにしています。

細切れを利用して学習してください。

 

前回は、直接払いをやりました。

 

qkichan.hatenablog.com

 

序論 

本規定は、使用者に一定の規定を設けて、確実に労働者に賃金を支払うことを目的としています。

原則は、5つありますが、それを全て押さえることが重要です。

原則の5つとは、通貨払い直接払い全額払い毎月払い一定期日のことです。

 

ちなみに、体感的には賃金の支払いの中で最も判例が問われるところになります。

一度は本屋さんなどに言って、判例対策のものを見てみてください。

お手元にテキストがある方は、その判例を覚えましょう!

(試験を迎える頃には、正直、事件名を聞いたら、概要を話せるようになります。)

 

賃金の支払(24条)

まずは、条文で確認しましょう。

「賃金は、通貨で、直接労働者に、その全額を支払わなければならない。ただし、法令若しくは労働協約に別段の定めがある場合又は厚生労働省令で定める賃金について確実な支払の方法で厚生労働省令で定めるものによる場合においては、通貨以外のもので支払い、また、法令に別段の定めがある場合又は当該事業場の労働者の過半数で組織する労働組合があるときはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がないときは労働者の過半数を代表する者との書面による協定がある場合においては、賃金の一部を控除して支払うことができる。

○2 賃金は、毎月一回以上一定の期日を定めて支払わなければならない。ただし、臨時に支払われる賃金、賞与その他これに準ずるもので厚生労働省令で定める賃金(第八十九条において「臨時の賃金等」という。)については、この限りでない。」

(※太字のところは選択式試験に出題されることを想定しています。)

 

【重要】

使用者は、全額を労働者に支払う義務があります。

ただし、例外として下記のものは認められています。

  • 法令に別段の定めがあるとき
  • 書面による協定(労使協定です。)が締結されているとき

 

ノーワーク・ノーペイの原則がありますので、遅刻や欠勤による給料の減額(正確には、当該部分の賃金を支払わないことに当たります)は、違法ではありません。

ノーワーク・ノーペイの原則とは、労務の提供がなければ賃金支払いの義務が発生しないことを言います。

 

端数処理の例外

以下の場合は、認められています。

 

【割増賃金】

1ヶ月の時間外労働等の時間の合計に1時間未満の端数がある場合、30分未満を切り捨て、それ以上を1時間に切り上げること。

 

1時間当たりの賃金額及び割増賃金額に1円未満の端数が生じた場合、1円未満単位切り捨て切り上げが可能。(1ヶ月における総額計算でも同様)

 

【賃金支払額】

1ヶ月の賃金支払額に100円未満の端数が生じた場合、100円単位で切り捨て切り上げが可能。

 

1ヶ月の賃金支払い額に生じた1000円未満の端数について、翌月の賃金に繰り越しが可能

 

【解説】

 

法令に別段の定めがあるというときの具体例は、お勤めされている方は、社会保障費や所得税を給料から引かれていますよね。それのことです。

 

また、組合費などを控除することを労使協定で定めているときは、給料からも引けます。これをチェックオフと言います。

 

チェックオフについて(判例あり)

少し重要なので解説します。

組合費など企業内での活動費を給料から引くことをチェックオフと理解してもらえればOKですが、これは個別の同意が必要です。

 

つまり、組合として労使協定を結んでいることを根拠に、組合員に給料からの天引きを行うと、NGです。


まとめ

 

とにかく全額を支払うことを原則としています。

 

その上で、源泉徴収やチェックオフがあることを覚えておきましょう。

 

端数処理の例外については、まずは★がついているところから押さえましょう。

それ以外では、何が1時間あたりで計算する必要があるかを押さえましょう。

細かな内容はこの2つを覚えてからでも遅くありません。

労働基準法24条 賃金の支払(直接払い)

こんにちは。きゅーきちゃんです。

 

今日も労働基準法について記事にしたいと思います。

 

今回は賃金の支払に関する条文を確認していきたいと思います。

ここは労働基準法上、最も重要な箇所になりますので、特に重点的に学習をしたいところです。この24条は、5回シリーズにしています。細切れを利用して学習してください。

 

前回は、通貨払いをやりました。

 

qkichan.hatenablog.com

 

序論 

本規定は、使用者に一定の規定を設けて、確実に労働者に賃金を支払うことを目的としています。

原則は、5つありますが、それを全て押さえることが重要です。

原則の5つとは、通貨払い直接払い全額払い毎月払い一定期日のことです。

 

賃金の支払(24条)

まずは、条文で確認しましょう。

「賃金は、通貨で、直接労働者に、その全額を支払わなければならない。ただし、法令若しくは労働協約に別段の定めがある場合又は厚生労働省令で定める賃金について確実な支払の方法で厚生労働省令で定めるものによる場合においては、通貨以外のもので支払い、また、法令に別段の定めがある場合又は当該事業場の労働者の過半数で組織する労働組合があるときはその労働組合、労働者の過半数で組織する労働組合がないときは労働者の過半数を代表する者との書面による協定がある場合においては、賃金の一部を控除して支払うことができる。

○2 賃金は、毎月一回以上一定の期日を定めて支払わなければならない。ただし、臨時に支払われる賃金、賞与その他これに準ずるもので厚生労働省令で定める賃金(第八十九条において「臨時の賃金等」という。)については、この限りでない。」

(※太字のところは選択式試験に出題されることを想定しています。)

 

【重要】

 

賃金は直接本人に支払うことを原則としています。

例外として、口座振込や使者への支払いを認めています。

親族や法定代理人任意代理人に支払うことは本規定違反となります。

 

派遣中の者については、派遣先事業者から派遣元事業者へ支払い、単に労働者へ手渡す程度なら規定違反とはなりません。手渡すだけです。何か処理してはいけません。

 

【解説】

使者払いは代理人への支払いとは異なります。

簡単に言うと、効果意思の有無が論点になります。簡単ではありませんね。笑

本人に代わる者が、有効な意思=交渉手段を持っているかどうかという理解でOKだと思います。

つまり、来た人が「この賃金ぼくにちょうだい。」と言ったときに、使者の場合は無効になります。

ここからわかることは、使者は社会通念上、労働者本人が賃金を受け取ったと同視できる者を意味しています。(判例あり)


まとめ

賃金は直接本人に支払うことを原則としています。

例外として、口座振込と使者への支払いはOKとなります。