労働基準法(総則)
こんにちは。きゅーきちゃんです。
今日からは、労働基準法について記事にしたいと思います。
今回は労働基準法の総則を確認していきたいと思います。
序論
労働基準法は勉強方法の記事でも書きましたが、基本的には労働者保護のための法律です。
内容としては、労働契約、賃金、労働時間等(休憩、休日含む)、就業規則、寄宿舎、監督機関としての位置づけ、罰則を定めたものです。
まとめると、使用者に労働契約等を守らせ、労働者を保護するように最低限のルールを定めた法律ということです。
また、労働基準法全般に言えることとして、使用者に対して規定している法律という特色があるので、「何を」制限しているのか?を押さえることが高得点の近道です。
また、時々「努め」という表現で義務ではない箇所が出てきます。労働基準法の性質からしてそこは珍しい箇所になるので、そこは覚えてしまったほうが良いでしょう。
労働基準法 第1条
目的条文と言われる、第1条を確認しましょう。
第1項「労働条件は、労働者が人たるに値する生活を営むための必要を充たすべきものでなければならない。」
第2項「この法律で定める基準は最低のものであるから、労働関係の当事者は、この基準を理由として労働条件を低下させてはならないことはもとより、その向上を図るように努めなければならない。」
(太字箇所は選択式試験で空欄になる可能性が高いと考えているところです!)
順番に解説しましょう。
【重要】
「労働条件」とは、職場でのすべての待遇が含まれますが、雇入れ・採用は労働条件に含まれません。
→労働条件が発生する前の段階の話なので。
「この基準を理由として」とは、労働基準法よりも良い待遇を、労働基準法の基準に合わせるなどのことを意味します。
したがって、例えば賃金を一時的に引き下げる等の対応しないと倒産してしまう(経済的な理由)ときは、この条文に抵触しないことになります。
【解説】
まず、第1項です。
これはある法律の理念を条文化したものです。それは、憲法第25条第1項の条文です!
憲法の条文も一度は目を通しておきましょう。
<参考 憲法第25条>
すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。
ちなみに、最低限度の生活を営む権利があると言われるのは、労働者本人だけでなく、その家族も考慮に入れます。
第2項です。
突然ですが、労働基準法は取締法としての役割を持っているにも関わらず、最後の文末が「努めなければならない」となっています。
その理由は、第1条自体が訓示的規定となっており、特に罰則がないからです!
・・・と言われても分からないというあなた!私と同じなので、安心してください。笑
目的条文と言われるだけあって、ここは労働基準法のまさに訓示=宣言をしたようなものなので、「使用者の方、最低限のルールは守ってね!」と言ってるだけなんです。
現実世界では、「最低限のルール守ってない!アウト!はい、罰金!」ではなく、「はい、あなた賃金全部払ってないでしょう!これではちゃんと生活できません!24条違反です!」という形で指導等が行われています。
なので、理念を宣言しただけなのに、罰則とか課せないので、「努め」でOKなのです。
ちなみに、労働基準法は昭和22年に制定されたことも覚えておきましょう。
まとめ
第1条は訓示的条文
→罰則なし
「労働条件」とは、一切の待遇を意味するが、採用に関しては適用外。
「基準を理由として」労働基準法を理由に待遇を引き下げることを指しています。その他の理由のときは、別問題。